台湾に来て出会った言葉によって、「慢活（まんかつ）」とは何か、どのように理解すればよいのか、どのように実践すればよいのか、といった問いを考え始めました。
探求を深めるうちに、自分が好きな生活を送ることだけでなく、生活の質やプロセスにも重点を置くことが「慢活」であることに気づきました。自分はたくさんのものを持っているけれども、幸福感を得られていないように感じ、何かが足りないように思いました。私たちは単に生存しているだけであり、生活しているわけではないのです。生活においては物質追求ばかりで質を追求していないため、毎日忙しく働き、経済成長を追い求めるばかりです。
その時から、私は質の高い生活を学ぶことを決め、台湾に足を運ぶようになりました。そこで、一般の人々が自分自身の人生における「慢活」の経験をどのように計画しているのかを見て、彼らが充実した生活を送っていることを感じました。私たちは物質への執着から離れ、シンプルな生活を重んじ、個人の価値の実現や人間関係の構築に生涯の目標を置くべきであり、単なる消費や経済的成功を追い求めるのではないのです。
心の底にある願い
このような生活スタイルを考えた後、私は周りの友人と「慢活」の生活哲学を共有しました。みんなが驚くほど共感し、生活がこんなに可愛く、平凡でありながら充実していることに興奮しました。そして、心の底に秘めた願いを発表することになりました。私は新鮮で美味しい食べ物を作ってみんなと共有したいと思いました。また、誰かがコーヒーの研究をしたいと思ったり、陶芸をしたり、花や草木を育てたり、これまで学んでいなかったことを学びたいと思ったり、遠くの地域の人々と友達になりたいと思ったり…。そして、皆がアイデアを出し合い、一緒に場所を見つけて共通の志を持つ友人たちと一緒に自分たちが望む生活を送るための民宿を建てることにしました。これからは私たちの家、「慢活」の民宿ですね。
天空の院子との邂逅
場所について話すと、アメリカ、日本、中国本土、香港、東南アジアの国々など、検討した場所はありましたが、採用されなかったんです。後に私は台湾を推薦しました。なぜなら、この宝島にはすべてが揃っていると感じたからです。空気、土壌、水質はまだ深刻な汚染に見舞われておらず、果物、野菜、肉も高品質です。最も重要なのは、ここに来ると解放感を感じる自由があるということです。
台湾に興味を持った後、真剣に適した場所を探し始めました。都市部は考えず、基隆から始めて、九份、宜蘭、花蓮、台東、高雄、台南、嘉義、雲林、南投、苗栗、新竹、桃園など、数年間にわたって旅行や一時滞在をしました。私が一番好きだったのは南投県の美しい山々と清らかな水ですが、どこが一番良いのでしょうか。
私が最も悩んでいた時、私の友人である玉振（ジェイムズ）兄弟が手を差し伸べてくれました。彼は私が31年前に香港の金鐘路で偶然出会った、台湾人として初めて知り合った人です。彼は私を中部で最も美しい民宿に連れて行ってくれると言いました。それが南投県竹山鎮の大鞍山にある「天空の院子」でした。思いもよらず、こうして大鞍山との特別な縁を結ぶことになったのです。
竹山町の大鞍山
その晩、院子の主人である培均さんは私たちと院子の物語、そして彼が数十年間静寂に包まれていた竹山町をどのように復活させてきたかを共有してくれました。彼の話に感銘を受け、私は参加したいという衝動に駆られました。文化の多様な交流を実現するために。この小さな種が私の心に埋まりました！一度泊まってみた後、私はそこがとても気に入りました。数か月も経たないうちに、ちょうど父の80歳の誕生日が重なりました。私は家族全員を連れて院子に3日2晩滞在しました。竹山町の中楽団の演奏や茶農協会のメンバーを特別に招いてお茶を点てていただきました。特筆すべきは、父と母が初めてこの山に来てすぐにとても気に入ったことで、その後も何度か訪れました！
大鞍山が気に入ったので、母親に地所の情報を探してもらうようお願いしました。私はここで家を建てることを決めました！「慢活（まんかつ）」という名前の民宿を建てるつもりです。天は努力家を見放さないもので、数か月の間にいくつかの場所を見て回った後、何媽媽（ホウさん）が私を小さな建地に連れて行ってくれました。高い場所に位置しており、彰化県を眺めることができます。最も理想的なことは、ここにはシンビジウム（含羞草）があり、たくさんの小さな蝶がいることです。私はこの場所がとても気に入りました。何媽媽はまた、この山では冬は暖かく、夏は涼しいと教えてくれました。市街地が32度の気温でも、山の上では25度で、エアコンは必要ありません。これが私が一番嬉しいところです。なぜなら、多くの人がエアコンの症状を抱えているからです！
ここは予算に合っており、小さくて負担が少ないので、すぐに購入することを決めました。広東語で、このような山岳地帯の小さな場所を指す言葉があります。「邖旮旯（サンガーラー）」という名前です。そのため、民宿の名前は「邖旮旯民宿」としました。